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当たり前になったズレタ感覚


 これは私が仕事を始めたばかりの頃の話です。 賃貸物件の紹介ができるように最初の頃は管理物件の場所と間取りを覚える事をしました。ただ、結構な数があるので間取りや地域環境、おおよその入居者データ等を覚えて、それを踏まえた営業トークを磨くのに一生懸命になっていました。そしてある程度するとスムーズに仕事ができるまでになってきました。

その物件の一つに洗濯機の場所が想定されていなかった物件がありました。

最初は変だな・・・・。と思ったのですが、現在そこに住んでいる方は洗濯機をキャスターに乗せて使っているという話を聞いてからは新しく入居希望なさる方には「今現在お住まいの方は・・・」という感じに説明していました。又、洗濯機を置くにしても移動しないとまったくトイレに入れない訳ではなく、ある程度はなんとかなるような場所だったのでそこまで一生懸命考えてはいませんでした。

そしてある時、たまたまお客さんにその説明をしているのを聞いた父はビックリしたように聞きました。「そこの物件は洗濯機を移動しないとトイレに入りにくいのか?」というのです。事務所の中で事務や案内をしてきた人たちは当然知っていたのですが、父は一切知りませんでした。

それを知っていて報告もしない、改善の提案もしないと社員は何を考えているんだ、事務所の出入り口に洗濯機を買ってきて置くからそれをどかしながら仕事をしてみろ。と怒鳴りました。

そして、その日のうちに業者を呼び出し、洗面台を移動し、洗濯機置き場を作る段取りをしました。その結果、今ではきちんと設置できるようになっています。

皆さん同じだと思うのですが、最初は変だと思っていても、慣れると気にならなくなってしまうものです。

賃貸物件でいうとこの部屋はこういう物件なんだと思っていると改善策はでてきません。最初は変だと思っても慣れてしまうと“その部屋はそのような物件なのだ”となってしまったのです。

自分の事ならまだしも、お客さんがいてくださっての仕事ですから判断の遅さ、仕事の遅さ、考え方の悪さは命取りになります。いつでもお客さんの目線に立ち、自分の中の常識は往々にして狂いやすいという事を実感した出来事でした。




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